インド西部のアラビア海に面したカンバート湾沿岸で、アリやハチ、ハエ、クモなどが入った5200万~5000万年前のこ琥珀を発見したと、28日ドイツ・ボン大などの研究チームが、米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
琥珀は樹脂が固まったもので、現在、東南アジアの熱帯雨林に多いフタバガキ類の樹脂とみられる。アジア熱帯雨林の最古の証拠という。また、含まれるアリやハチなどを分析すると、欧州やオーストラリア、南米などに生息したものと近類とみられ、インドの生態系の独自性があまり高くなかったことも明らかになった。
発見された琥珀は約150キログラムもあり、含まれるアリなどの節足動物は約100種の計約700匹に上った。化石より保存状態が良く、植物の小さな花や葉、花粉なども見つかった。当時の気候はかなり温暖だったため、このような状態で発見されたと考えられる。