米航空宇宙局(NASA)は、月の南極付近にあるクレーターの表土に含まれている物質の約5・6%は氷でできていることが、NASAの探査機による衝突実験で分かったと、22日付の米科学誌サイエンスに発表した。
NASAは昨年10月、月の南極付近のクレーター「カベウス」に、探査機エルクロスの本体と補助ロケットを高速で衝突させる実験を行い、舞い上がったちりの成分を調べた。その結果、氷という形ではあるが、少なくとも95キロの水が存在することが判明したと発表していた。
今回は、ちりをさらに詳細に分析し、観測できた物質の中には155キロの氷や水蒸気が含まれており、クレーターの表土の物質の5・6%は氷だと推定した。
現在までに、月には水が豊富に存在することが様々な研究で指摘されており、将来の有人月探査の時に飲料水としたり、分解して水素燃料に利用できる可能性が期待されている。